フレディ・レッドは麻薬患者を扱ったジャック・ベルバーの舞台劇
「ザ・コネクション」の為に作曲活動を行うなど、作曲家としては優れた
才能を有していた。 だが、ピアニストとしては、どうしても地味な存在。
録音が余り多くない人なのだが、心底唸らせる様な演奏を耳にした事はない。
一風変わったユニークな奏法であるだけに、聴き手により好き嫌いが分かれて
しまうのも、マイナーなミュージシャンであり続けている原因なのかも…。
プレイよりも(失礼!)、フレディ・レッドの書いた曲に耳が行ってしまう。
全編をフレディ・レッドのオリジナルで占めているのだが、沈んだ感じの
ラインで始まり、次第にテンポを上げていく「セスピアン」では、フレディ・レッドの作曲活動に真剣に
打ち込んだ姿がうかがえる。
「シャドウズ」でも、内省的なハーモニーが、地味ながらハートに訴えてくるが、圧巻は「オレ」だ。
ラテン・タッチの曲想が、聴くものの涙を誘ってしまうとは言い過ぎか。
個性派テナーサックスのティナ・ブルックスと、ジャッキー・マクリーンが組み合わさる事で
通常のハードバップとは一味違った雰囲気を出している。
シェイズ・オブ・レッド/フレディ・レッド
シェイズ・オブ・レッド/フレディ・レッド に加筆・修正を加え転載。
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